シャマン・ラポガン(中国語名:施努来)は1957年生まれ、蘭嶼タオ族出身の作家。淡江大学外国語文学部フランス語文学科卒業。国立清華大学大学院人文社会学研究科人類学専攻修士課程修了。文学作家と人類学者の二足の草鞋を履き、執筆活動を志す。現在は作家業に専念する傍ら、「台湾海洋技術研究センター」の研究員を務め、2013年には「島嶼民族科学工房」を立ち上げ、蘭嶼タオ族の文化振興をライフワークとしている。
+ シャマン略歴
シャマン・ラポガンは生活における実践をもって、タオ族の文化と海洋哲学を深く掘り下げ、優美で感動的な文学として表現する。文学界における業績として、質、量ともにタオ族随一の作家であり、これまでに呉濁流文学賞、時報文学賞、呉魯芹散文賞、金鼎賞など、数々の賞を受賞。
その作風は繊細で奥深く、質朴ながらも生命力があり、海、トビウオ、タオ族の伝統的な生活の知恵および現代の衝撃における悲喜はいずれも創作における核心をなしており、台湾を最も代表する海洋文学作家である。
八代湾的神話(八代湾の神話)
1992
シャマン・ラポガンが小さな島のさまざまな奇想、伝説の起源、口承文学の神秘と感動を初めて文字として表現。記憶の中の韻文文化の起源の神秘を振り返る。
冷海深情―シャマン・ラポガンの海洋文学1
1997
蘭嶼から台湾、そして再び蘭嶼へ戻る過程で、戦後のタオ族の父が混乱の中を逃げ惑い、生まれ変わった奇跡。シャマン・ラポガンが帰郷後に体験した長年の葛藤を文学の領域で繰り広げた成果でもある。
黒い胸びれ
1999
島と海の物語。年長者の帰港から自分の初航海までを眺める。チヌリクラン、大海に隠された豊富な知識を中心に生活は展開されるが、漢民族の教員によってもたらされた学習にも気を遣わなければならない。集落と「文明」の遭遇の中で生まれた火花。
海浪的記憶(海波の記憶)
2002
シャマン・ラポガンがタオ族として海洋民族、黒潮の子の本領を存分に発揮。老人でも書き尽くせぬ海の冒険物語、子どもの言葉では表せぬ海への憧憬、あるいは大人と海の終わりなき情愛の会話を生き生きと描く。
航海家的臉(航海者の顔)
2007
台湾本島でさすらいの青春時代を過ごし、ついにシャマンが蘭嶼の小島へと帰ってきた。集落の者たちとともに暮らし、チヌリクランを造って漁に出て、海に潜って魚を捕らえ、海を眺めながら思いにふけながら、彼は真のタオ族の男となった。
老海人
2009
深い情と温かみのある筆遣いと広い視野を兼ね具えた「台湾唯一の海洋先住民・タオ族の作家」シャマン・ラポガンがタオ族の言語と中国語の両方を交えたユニークな言葉遣いで自らの経験と民族の伝統を結びつける。蘭嶼タオ族の海洋文学を描きながら、水の世界の神秘と人の心の奥底を照らし合わせ、明らかにしていく。
空の目―シャマン・ラポガンの海洋文学2
2012
辛い過去を持つひとりの男を中心にその島の集落での生活と孫とのふれあい、遠く台湾で働く娘の訃報。海の世界での幾多にわたる大魚との格闘を描く。老人と海、そして蘭嶼の躍動感を描いた人文作品。
大海浮夢(大海の浮夢)
2014
シャマン・ラポガンの半世紀にわたる自分と郷里に対する探求と悟りを描いた長編小説。クック諸島、フィジー、インドネシア群島、ニューギニア、タヒチ、フィリピン、広大な南太平洋の数々の群島の探検も描いた台湾海洋文学の傑作。先住民の文学と文化的美学が新たな一歩を踏み出す!
安洛米恩之死(アルミオンの死)
2014
航海一家の後裔でタオ族の血に流れる海の脈動を受け継ぐアルミオン。彼の頭の中と心には古い神話と知恵が刻み込まれている。水の世界を生きる、素晴らしい才能を兼ね具えた潜水夫である。
潜水、小説、映画および冬の海の一人旅。
流れゆく青い浮夢:海洋文学作家 シャマン・ラポガン
実体とデジタルリソースを結び付け、聯系出版と聯合線上の提携により、台湾を最も代表する海洋文学作家「シャマン・ラポガン」とその作品を世界の隅々にまでお届け!
一般的なデジタル化は「作品」が主軸となっているのに対し、本アプリは「作家」を中心に据え、関連著作のデジタル化までをカバーして作家の魅力を伝えるユニークなデジタルコンテンツとなっています。アプリには作家のインタビュー映像、蘭嶼の言葉による朗読、作家の姿などのマルチメディア素材およびすぐれた作品の外国語訳本を収録。さらに作家のフェイスブックページ、ウィキペディアの見出しといったソーシャルコミュニティ、ソーシャルネットワーク機能も組み込んで、作家、作品、読者をデジタルコンテンツでつなぎ、より多くの国内外の読者に台湾の海洋文学とデジタル出版の接触が放つ新たな火花にご注目いただきます。